曲立不動

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<<   作成日時 : 2009/05/31 00:31   >>

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 観音開きの戸を軽く押し開けると、冷たく澄んだ夜の空気が流れ込んで来た。体を伝う汗が冷える心地良さと共に戸を潜れば、先ず目に入るのはすっぽりと街を包んだ夜の帳である。
 しとしとと、音も無く雨が降りしきる。さほど激しくも無い様だが、無視して一張羅を晒すほど小降りでもない。
 季節柄、特に屋内が蒸れるおかげだろうか。普段は憂鬱としか覚えぬ雨降りも、涼を取れると思えば風情すら感じられてくるのだから、現金な物である。 己の子供地味た思考に心の内だけで苦笑しながら、春雨と言うにはやや晩い雨の中、最寄の駅へと足を向けた。

 とぼとぼと、人も疎らな街を歩く。見慣れぬ夜更けの駅前は、日中の喧騒とは結び付かぬ程の静寂に満ちていた。
 平生であれば、使い古した自転車が家路の共なのだが、生憎行き掛けにタイヤをパンクさせてしまっていた。その為、急な電車帰りを強いられたのである。
 生来の汗掻きなためか、じっとりと湿気た温い空気の下では、少し歩くだけで汗が滲む。シャツが背に張り付く感覚が何とも不快である。やれやれと、今度は声に出して嘆息しつつ、歩を進める足は緩めない。
 星の姿の見えぬ空は、雨に煙って薄く白味がかった鉛色で、夜の独り歩きの無聊を慰む物は見当たらなかった。

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